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乳がんホルモン療法:レトロゾールはタモキシフェンよりも認知機能を維持しやすい


乳がん術後ホルモン療法によって認知機能が低下することが報告されています。アロマターゼ阻害剤レトロゾールはタモキシフェンに比べて乳癌患者の認知機能を維持している(大規模フェーズ3臨床試験「BIG1-98」)ことが2009年の国臨床腫瘍学会(ASCO)で公表されました。

認知機能に関しては、すでにTEAM(Tamoxifen, Exemestane, Adjuvant, Multicenter)試験において、タモキシフェン投与で認知機能の低下が見られましたが、アロマターゼ阻害剤(エキセメスタン)では認知機能に影響は認められないと報告されています。

認知機能は加齢、生活習慣などによって大きく影響を受けるものです。乳がんを患ったという精神的影響(うつ症状)も影響を与えているでしょう。いずれにせよ、健常人より乳がん術後ホルモン療法を受けた人々の認知機能が低下し、その低下の程度はアロマターゼ阻害剤レトロゾールがタモキシフェンより少なかったという結論です。

ホルモン療法では乳がんの増殖を抑えるだけの効果しかありません(それなら自然治療が優っている可能性がありますね)が、それが副作用を上回る利益があるかが問われるところです。

臨床試験の詳細はこちら

→タモキシフェン5年間投与群(A群)とレトロゾール5年間投与群(B群)、タモキシフェン2年間投与後、レトロゾールを3年間投与する群(C群)、さらにレトロゾール2年間投与後、タモキシフェンを3年間投与する群(D群)の4群を比較。

今回の解析は、5年間の治療後の認知機能の程度を、精神運動機能の速度や視覚的注意、作業記憶(ワーキングメモリ)、言語性記憶や学習に関する7つのタスクを用いて評価し、各タスクにおけるZスコアを求めた。

レトロゾールの投与期間が長いB+C群(65人)と、タモキシフェンのA+D群(55人)において検討した結果、7つのタスクのZスコアを統合したスコア 値が両群とも同年齢の健常者と比べると低いことが示され、特にタモキシフェン群では低かった。またZスコア平均値からの差では、レトロゾール群がタモキシ フェン群よりも認知機能が高いことが示された(Zスコア平均値からの差0.28、95%信頼区間0.02-0.54、p=0.04)。

続いて、Zスコアが健常者の値よりも標準偏差で1.96下回っている場合を「障害あり(impaired)」と定義したところ、7つのタスクから何らかの 障害があると判断された患者が、タモキシフェン群では54.4%であるのに対し、レトロゾール群では36.9%に留まっていた(p=0.05)。

肥満手術が普通に行われている米国ならではの解析データです。


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