乳がん(癌)について1
医師・臨床心理士のア谷博征と申します。乳がんは米国、英国を中心とした先進国に多いガン疾患です。米国では女性が生涯において乳がんと診断される割合は13%以上(死亡率はさらに高い)と見積もられています。東ヨーロッパ、中東、日本を含めた極東では比較的乳がんの発症率が低いことが指摘されていました。しかし、日本やシンガポールでは過去二、三十年で倍増しています。平成21年度の日本での乳がん死亡率は18.5%でガン疾患のなかでは4位となっています。
米国では乳がんは閉経後の60歳代に多くが発症しますが、日本の乳がんの平均年齢は40〜60歳で若年にも発症します。
乳がんの発症には、現代社会での多くの環境因子(エストロジェン感受性の乳がんに対するエストロジェン刺激やある種の化学合成物質の暴露など)の深い関与が指摘されています。乳腺組織に含まれる難燃剤は、サンフランシスコ在住の女性は日本やEUの女性の3〜10倍もあったという報告もあります。
一般的な乳がんの危険因子とされている、初潮年齢、出産数、初産年齢、母乳保育、閉経状態、閉経年齢、ホルモン補充療法の使用、肥満度、飲酒などと乳がん発症の遺伝子異常との間には相互関係はないと報告されました(『The Lancet, Volume 375, Issue 9732, Pages 2143 - 2151, 19 June 2010』)。
すでに学問の世界では遺伝と環境因子という明確な二分法ができないことが証明されていますが、現代医学ではまだ遺伝子と環境を分けて考える習慣から抜け出せていないようです。
現代の医学では、まだ乳がんの発症の原因は複雑で解明できていないと言っても過言ではありません。その場合、「予防原則」(危険の可能性のあるものには近寄らない)に従って治療をすすめていくことになります。
なぜなら、その当時にはっきりと証明できなかったことも何十年後かには明らかになる事例が後を絶たないからです。
乳がんを防ぐためにはどのような方法を選択すればよいのか?
乳がんを防ぐためには、「予防原則」に従ってガン一般に共通する発症因子を取り除いていかなければなりません。
各種の酸化ストレス(タバコの煙、重金属蓄積、感染などによる慢性炎症、食事中のトランス脂肪酸など)をできるだけ最小限にし、適度な身体活動・運動で耐性をつくることが必要です。
自己治癒力というのは、生まれつき備わっているものではなく、自分で育てていくものです。すべてが遺伝的に決まっているものではありません。
当研究所では乳がんの発症の原因、検査、治療などの研究および情報提供を行っております。すでに乳がんと診断されている方は、手術療法を中心たした治療が中心となります。術後の放射線療法、抗がん剤、抗ホルモン療法の副作用の軽減法などにもフォーカスして研究しております。
個々人に合った乳がん治療方針をお伝えすべく御質問に応じておりますのでお気軽に御相談ください。
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