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米国で予防的乳房切除術が増加
11年間に高リスク女性で微増、既往者の反対側切除は倍増


現在、乳がんリスクを低下させることができる医療手段として、予防的乳房切除術、予防的卵巣摘出術、抗エストロゲン化学療法に限られています。

米ニューヨーク州保険局患者安全センターのColleen C. McLaughlin氏らは、1995〜2005年の11年間に同州において、乳がん高リスク女性における予防的乳房切除術は微増し、がんを発症した乳房の反対側の切除は2倍以上に増加した、と発表しました(Cancer 9月28日オンライン版)。

予防的乳房切除術を受けた患者は、治療目的の乳房切除術を受けた患者および全乳がん患者と比較して、白人、民間の医療保険に加入している割合が高かったといいます。お金がないと医療は受けられない米国の厳しい現状が現われています。

外科腫瘍学会 (SSO)では、予防的乳房切除術の適応として、異型の小葉または乳管の過形成が認められるか非浸潤性小葉がんである女性、さらにはBRCA1や BRCA2の変異や一親等に乳がんの強い家族歴が認められるなど遺伝子リスクが増加している女性などを挙げています。

さらに、予防的乳房切除術の適応は、片側の乳がん診断後に反対側の乳がん発症を予防するためにも行われています。また、左右の対称性のため、あるいは再建術の関連で反対側の乳房切除を行う可能性もあります。

両側の乳房に予防的切除術を適応すると、高リスク女性の乳がん発症は著しく減少するのは当然です。残存する乳房上皮に腫瘍が形成されることは、乳房切除術のタイプにかかわらず、きわめてまれでもあります。

さて、日本で予防的切除術までを国民皆保険で賄えるでしょうか?遺伝子異常があった場合でも100%乳がんに罹患するわけではありませんので、おそらく、予防的乳房切除術は過剰医療の範疇にはいると思われます。

必要な医療を受けられないで、過剰な医療は受けられるというアンバランスなアメリカ医療が垣間見られる報告でした。

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→ニューヨーク州のがん登録から得られたデータと法律に基づく州全体の病院の退院データを使って、1995〜2005年における予 防的乳房切除術の施行率を調べた。同期間中に乳房切除術を受けた6万9、831例のうち、6万3、556例(91%)が治療目的の乳房切除術を受 け、6、275例(9%)が予防的乳房切除術を受けた。

 予防的乳房切除術を受けた6、275例のうち、上皮内小葉がん患者を含む乳がんの既往がある患者は5、079例(81%)であった。既往がない 1、196例のうち、361例(30%)はすでに皮下乳房切除術を受けていた。また、半数以上が同時に乳房再建術を受けた。乳がんの既往が認められた 5、079例のうち、4、235例(84%)は侵襲性がんで、829例(16%)は非浸潤性乳管がんであった。

 経時的に見ると、11年間に予防的乳房切除術施行数は増加したが、乳がんの既往がない患者では108例から128例へと微増であったのに対し、既 往がある患者では295例から683例へと2倍以上に増加した。乳房切除術を受けた患者に占める予防的乳房切除術を受けた患者の割合は、5.6%から 14.1%に増加した。

 予防的乳房切除術を受けた患者の年齢中央値は、乳がんの既往がない患者では45歳、既往がある患者では49歳と、治療目的の乳房切除術を行った患者の61歳に比べ10歳以上低かった。


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