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炎症性受容体の阻害で乳がん幹細胞が死滅


ミシガン大学総合がんセンターによる研究で、炎症と乳がん幹細胞の重要な関連が明らかにされました(Journal of Clinical Investigation(2010; 120: 485-497))。

がん幹細胞とは、数は少ないが腫瘍増殖を促進する細胞で化学療法や放射線療法などに耐性を示すのもこの細胞の存在のためと指摘されています。

今回、炎症や組織損傷に反応して幹細胞の増殖を誘発するCXCR1という受容体ががん幹細胞にあることを見出しました。

CXCR1は、関節リウマチやSLEなどの慢性炎症や組織損傷があるときに産生されるインターロイキン(IL)-8の受容体です。腫瘍に対して化学療法を行うと、死滅していく細胞からIL-8が産生され、がん幹細胞の複製を誘発します。

マウスを用いた実験で、CXCR1を阻害する薬物(repertaxin:臓器移植後の拒絶反応を予防する薬物として初期の臨床試験で検証され、副作用は少ないことがわかっている薬剤)単独療法または化学療法との併用療法を行ったマウスでは、化学療法を単独で行ったマウスよりもがん幹細胞がはるかに減少することも確認し、さらに、repertaxinを投与したマウスでは化学療法単独のマウスよりも転移の数が有意に少ない結果がでたようです。

今回の研究結果から、乳がんの炎症や組織損傷にがん幹細胞が関与していること、さらに、repertaxinのような慢性炎症の際、炎症性サイトカインの受容体CXCR1を阻害する薬物により これらの相互作用が阻害される可能性が示唆されたということです。

慢性炎症と乳がんの関係に、乳がん幹細胞が関与しているという興味深い研究でした。


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