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イラクで乳がんが増加


総合疫学研究始まる


近年、イラクでは乳がんが増加しています。そこで昨年、乳がんの発症機序の解明と罹患率の減少を目的に、国家がん研究プログラムが開始されました。プログラム長を務めるバグダッド大学国立乳がん研究ユニット(イラク・バグダッド)のNada A. S. Alwan博士が、第2回米国がん研究協会(AACR)死海国際会議で同プログラムの初期データを公表しました。

対象は乳房のしこりを訴えた5,044人のうち、のちに乳がんと診断された721例。40〜49歳の患者が約3分の1を占め、都市部出身者が 71.9%、既婚者が75%でした。授乳経験がある患者は63.1%、ホルモン療法を受けたことがある患者は29%、乳がんの家族歴がある患者は 16.2%だった。

自分でしこりを見つけた患者が90.6%を占めていましたが、1か月以内に診察を受けたのは32%でした。このため、受診時に乳がんがIII期または IV期まで進行した患者が47%にのぼりました。

今回の研究からイラクでの乳がん増加が閉経前女性の乳がん罹患増加と関連していることがわかりました。

イラクでは湾岸戦争時代から放射能汚染が深刻です。米国の爆弾に劣化ウランを搭載しているからです。しかもイラクの女性は、耐えまない米国兵の殺戮・レイプによる極度なストレスにさらされています。白血病が増加していることは報告されていましたが、乳がんなど他の臓器のがんの発生率も上昇していることが今回あらためて浮き彫りにされました。

西欧人の差別思想は私たち日本人の想像を絶するものがあります。私たちも決して、広島・長崎を忘れてはいけないのですが、戦後の米国支配をいまだに変えようとしない日本人には少々幻滅してしまいますね。


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