乳がんで使用される抗がん剤(まとめ)
アンスロサイクリン(あるいはアンスラサイクリン)系、タキサン系と呼ばれるグループの抗がん剤が乳がんにはもっともよく効くとされています。術前化学療法ではアドリアシン(アンスロサイクリン系)、サイクロホスファマイド(アルキル化剤系)、タキソール(タキサン系)という抗がん剤が主に使用されます。
CMF
C(シクロホスファミド=エンドキサン)とM(メソトレキセート)、F(フルオロウラシル=5FU)の3剤を組み合わせた治療法です。消化器症状(吐気、嘔吐、食欲低下、下痢など)、軽い脱毛、骨髄抑制(白血球減少、血小板減少など)、口内炎、味覚障害、膀胱炎、皮膚・爪の色素沈着、腎障害などの副作用がみられます。
CAF
C(シクロホスファミド)とA(アドリアシン)、F(フルオロウラシル=5FU)の3剤を組み合わせた治療法です。比較的強い消化器症状(吐気、嘔吐、食欲低下など)、脱毛、骨髄抑制(白血球減少に伴う発熱、血小板減少、貧 血など)、味覚障害、膀胱炎、心筋障害、皮膚・爪の色素沈着などの副作用がみられます。
AC
A(アドリアシン)とC(シクロホスファミド)の2剤を組み合わせた治療法です。比較的強い消化器症状(吐気、嘔吐、食欲低下など)、脱毛、骨髄抑制(白血球減少に伴う発熱、血小板減少、貧 血など)、味覚障害、膀胱炎、心筋障害、皮膚・爪の色素沈着などの副作用がみられます。
EC
E(エピルビシン)とC(シクロホスファミド)の2剤を組み合わせた治療法です。比較的強い消化器症状(吐気、嘔吐、食欲低下など)、脱毛、骨髄抑制(白血球減少に伴う発熱、血小板減少、貧 血など)、味覚障害、膀胱炎、心筋障害、皮膚・爪の色素沈着などの副作用がみられます。
FEC
F(フルオロウラシル=5FU)とE(エピルビシン)、C(シクロホスファミド)の3剤を組み合わせた治療法です。比較的強い消化器症状(吐気、嘔吐、食欲低下など)、脱毛、骨髄抑制(白血球減少に伴う発熱、血小板減少、貧 血など)、味覚障害、膀胱炎、心筋障害、皮膚・爪の色素沈着などの副作用があります。
タキサン系薬剤
ドセタキセル=タキソテール、パクリタキセル=タキソールなどを使った治療法です。比較的軽度な消化器症状(吐気、嘔吐、食欲低下、下痢など)、脱毛(かつらが必要なことが多い)、骨髄抑制(白血球減 少に伴う発熱、血小板減少、貧血など)、浮腫(手足のむくみや胸水・腹水など)、味覚障害などの副作用があります。
ハーセプチン
「HER2/neu」という特定の遺伝子が関与する乳がんに対して、トラスツズマブ(ハーセプチン)という分子標的抗がん薬を用いて治療を行います。 HER2過剰発現のある転移性乳がんにも使用されます。間質性肺炎、腎障害、心障害、脳血管障害、異常感覚、疼痛、下痢、腹痛、消化不良、脱毛、胸痛、筋肉痛、骨痛などの副作用があります。
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