本文へジャンプ

乳癌(がん)治療薬の新しいガイドラインを発表


最も一般的な乳癌(がん)であるエストロゲン受容体(ER)陽性乳癌に対する2種類のホルモン療法の最も良い使用法に関する新しいガイドラインが発表されました(Journal of Clinical Oncology、7月12日号)。

閉経後女性ではアロマターゼ阻害薬の追加により、タモキシフェンに比べて腫瘍再発数が明らかに減少したとの報告を受け、ガイドライン作成委員会では、この種の乳癌を有する閉経後女性は全員タモキシフェンの使用前後いずれかにアロマターゼ阻害薬を使用するよう勧めています。また、癌の再発リスク低減のため、同薬はタモキシフェン投与後5年間使用可能としています。

アロマターゼ阻害薬単剤療法またはタモキシフェンとの併用療法では、タモキシフェン単剤療法に比べて無病生存期間(DFS)が改善し、 癌の転移リスクも低減していました。市販されている3つのアロマターゼ阻害薬、アナストロゾール(商品名:アリミデックス)、レトロゾール (同フェマーラ)およびエキセメスタン(同アロマシン)の有益性はすべて、基本的に同等とされています。

アロマターゼ阻害薬の副作用として骨粗鬆症、骨や関節の痛みと、高血圧や高コレステロールのリスクがあります。タモキシフェンにも白内障や子宮癌、生命を脅かす血栓や脳卒中など重篤な副作用があります。アロマターゼ阻害薬はタモキシフェンに比べて、他の部位への転移予防、別の二次乳癌の予防という点では優れているようです。


■本情報・記事の著作権は全て崎谷研究所に帰属します。許可なく複製及び転載などすることを固く禁じます。無断複製、転載及び配信は損害賠償、著作権法の罰則の対象となります。

ページトップへ