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遺伝性乳がんの早期発見 マンモグラフィよりMRIが優れる


遺伝性乳がんはBRCA遺伝子に変異が認められます。BRCA遺伝子に変異を有するか、または家族歴を有するため乳がんリスクが高いと考えられる女性群では、乳がんの早期発見において、MRIはマンモグラフィより優れることが報告されました(Journal of Clinical Oncology(2010; 28: 5265-5273)。

この知見は、乳がんリスクの高い女性に対するMRIおよびマンモグラフィを用いたスクリーニングについて検討したDutch MRI Screening Studyから得られました。同研究ではさらに、BRCA1遺伝子変異の保有者では、BRCA2遺伝子変異の保有者に比べ、マンモグラフィの感度がより低く、診断時の腫瘍サイズが大きいなどの特徴が示されました。

今回の研究で、遺伝性乳がんを生涯に発症する累積リスク(CLTR)が15%超と推定された女性2,157例の長期にわたる検診結果を評価しました。また、これらの女性のうちBRCAなどの遺伝子に変異のある女性599例については、BRCA1変異保有者(422例)とBRCA2変異保有者(172例)に分けて結果を解析ました。

被験者は、年2回の視触診、年1回のマンモグラフィとMRIによる乳がんスクリーニングを受けました。研究登録時からの追跡期間の中央値は4.9年でした。被験者は、BRCAなどに遺伝子変異がある群(CLTR 50〜85%)と、遺伝子変異はないが乳がんの家族歴がある群に分類され、さらに後者の群はCLTR 30〜50%の高リスクグループと同15〜30%の中等度リスクグループに分類されました。

その結果、浸潤性乳がんの検出感度については、マンモグラフィ(35.5%)に比べてMRI(77.4%)の方が優れていました(P<0.00005)。一方、非浸潤性乳管がん(DCIS)の検出感度については両者に有意差は認められませんでした。

また、マンモグラフィの乳がん検出感度はBRCA2変異保有者(61.5%)では、BRCA1変異保有者(25.0%)の約2倍超でした。BRCA1変異保有者ではマンモグラフィに比べてMRIの乳がん検出感度が高く(66.7%)、BRCA2変異保有者では若干であるがこの値をさらに上回りました(69.2%)。

MRIによって乳がんだけでなく、脳病変、骨病変など従来の検査では難しかった病気が分かるようになっています。遺伝性乳がんの方は定期的なMRI検査が有用でしょう。


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