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乳がんの5〜7%は遺伝子再構成が原因


発がんを促す2種類の遺伝子再構成を同定され,これらは全乳がんの5〜7%を誘発している可能性があることが論文報告されました(Nature Medicine(2011; 17: 1646-1651)。

遺伝子組み換えは,これまで血液がんや希少疾患である軟部組織腫瘍と関連付けられてきました。近年,前立腺がんや肺がんなどの固形腫瘍でも多数認められるようになっています。

今回89の乳がん組織と細胞株の遺伝子配列を検討したところ,これらの組織で発がんを促すと考えられる2種類の際立った遺伝子再構成型が認められたといいます。その反復パターンはMASTキナーゼとNotchファミリーの遺伝子間で認められました。

今回の遺伝子再構成は,組織培養とマウスモデルのいずれにおいても,乳がん細胞に大きな影響を及ぼしていることが証明されたといいます。それぞれの再構成遺伝子を健康な乳房の細胞株に導入したところ,発がん作用が認められたとしています。

ガンはこのように同じ原因でなるものではなく、かなり不均一な病態といえます。悪性度もかなりのバラツキがあるのは間違いなく、現在の乳がん治療の限界を見せつけられたと思います。


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